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V2G(Vehicle to Grid)とは? V2Gの仕組みとメリット・デメリットを解説
みなさん、V2G(ブイ・ツー・ジー)って聞いたことありますか?
最近よく耳にするけど「正直、よくわからない...」なんて方も多いはず。
でも実はこれ、電気自動車(EV)をもっと賢く使うためのスゴイ技術なんです!
このページではV2Gについて詳しく解説していきます!

V2G(Vehicle to Grid)とは?

V2G(Vehicle to Grid)とは?

改めて説明すると、V2G(Vehicle to Grid)は「クルマからグリッドへ」という意味。
その名の通り、電気自動車(EV)にたまった電気を電力網(グリッド)に送り返す技術です。

これまでEVといえば「充電するもの」でしたよね。 でもV2Gが進めば、EVは電気を使うだけのモノから、社会全体に電気を届けるモノへと大変身しちゃうんです。

例えば、昼間は太陽光発電で余った電気をEVにためておいて、夜の電力ピーク時にグリッドへ放電。
電力会社は助かるし、EVオーナーも電気を売って収入を得られる。
まさに「Win-Win」なエネルギー革命なんです。

ポイントは、双方向充電
従来のEVは「充電して走る」だけ。
でもV2G対応のEVなら、「必要な時に電気をあげる・もらう」ができるんです。

これが進むと、EVはモビリティ(移動手段)とエネルギー(電力供給)の二刀流プレイヤーになるわけですね。
2025年現在、日本では日産リーフを使ったV2G実証実験が各地で進んでいます。
欧州やアメリカでも、家庭や企業がV2Gを使って電気を売る取り組みが始まっています。

V2Hの製品に関してはコチラ↓

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V2Gの仕組み

V2Gの仕組み

「V2Gってなんとなくすごそうだけど、実際どう動いてるの?」
ここでは、そのカラクリをわかりやすく解説します!

V2Gの動き方はざっくり3ステップ。

  1. 充電:昼間の安い時間帯や、太陽光が余ってる時にEVのバッテリーへチャージ。
  2. 放電:夕方や夜の「電気が足りない!」タイミングで、EVから電力網に電気を送る。
  3. 再充電:バッテリーが減ったらまた充電。もちろん、車を使う時には残量管理されるので安心!

これらの動作は、V2G対応の専用充電器と、電力会社の管理システムが全部自動でやってくれるので、
ユーザーが毎回操作する必要はありません。

そして、この流れを賢く最適化するのが「制御システム」のお仕事。

たとえば、電気が足りなくなりそうな時は、AIが「今が放電タイミング!」と判断して、EVから電気を送り出す。
逆に電気が余っている時は「今のうちに充電しておこう」って考えるわけです。
こうしてEVと電力網がコミュニケーションを取りながら、社会全体の電力需給バランスを調整する。
これがV2Gの仕組みです。

現在(2025年時点)では、日本でも日産が提供する「V2G対応充電器」や、関西電力・東京電力が取り組む実証実験で、こうした双方向制御が現実になりつつあります。

V2GとV2Hの違い

V2GとV2Hの違い

「V2H(ブイ・ツー・エイチ)と何が違うの?」という疑問も多いですよね。
簡単に言うと、V2Gは「社会のために電気を届ける仕組み」、V2Hは「自分の家で電気を使う仕組み」です。

V2G V2H
電気の供給先 電力網(グリッド) 自宅(家庭)
目的 社会全体の電力バランス調整 家庭の電気代削減・停電対策
規模 地域~国レベルの大規模 家庭内の小規模
メリット 電力を売って収益が得られる 自宅の電気代節約&災害対策
必要な設備 高度な制御システム 比較的シンプルな機器でOK

例えばV2Hなら、「停電時にEVから家の冷蔵庫を動かす」みたいな使い方。
一方V2Gは、「地域全体の電力を安定させる」というスケールの大きな話なんです。

V2Gのメリット

V2Gのメリット

V2Gを導入すると、社会にもオーナーにもイイコトがいっぱいあります。

  1. 電力のピークシフトができる
  2. みんなが電気を使う夕方や夏場の昼間に、EVが電力網をサポートしてくれるので、電力バランスが安定します。
  3. 再生可能エネルギーの有効活用
  4. 太陽光や風力の“余った電気”を一時的にEVにためておいて、必要な時に供給できます。
  5. EVオーナーも収入が得られる
  6. 使わない時に電気を売れば、お小遣い稼ぎにも!
    まだ実証段階ですが、将来的には「EVで稼ぐ時代」が来るかもしれません。
  7. インフラ投資のコストダウン
  8. 新しく大規模な蓄電池を作らなくても、すでに走っているEVを活用すれば、初期投資がぐっと抑えられます。
  9. 災害時の非常用電源としても使える
  10. 停電時にEVから家へ電気を供給すれば、災害時の安心感が違います。

V2Gのデメリット

V2Gのデメリット

一方で、V2Gの普及にはいくつか乗り越えなければならない壁もあります。

  1. 導入コストが高い
  2. V2G対応の充電器や制御システムはまだ高額で、一般家庭が気軽に導入するにはハードルが高いのが現状です。
  3. バッテリー寿命への影響
  4. 頻繁な充放電がEVバッテリーの寿命を縮めるリスクがあり、メーカーによる保証制度や技術改良が求められています。
  5. 制度や法律が未整備
  6. 電力売買に関する法律やルールが整備されていないため、「電気を売りたくても売れない」状況も多くあります。
  7. 通信インフラが必要
  8. EVと電力網を連携させるためには、リアルタイムで正確な通信が必要。
    そのためのインフラ整備が今後の課題です。
  9. 使い勝手の問題
  10. 放電タイミングがシステム任せになるため、ユーザーの利便性をどう確保するかが課題です。

V2Gの現状

V2Gの現状

2025年現在、日本では日産と関西電力・東京電力が連携し、日産リーフを使ったV2Gの実証実験が各地で進められています。

欧州ではイギリスやオランダを中心に、家庭単位でV2Gを導入し、余剰電力を売電する事例が出てきています。
アメリカでもカリフォルニア州など一部地域で商用サービスが始まっています。

日本はまだ「実証実験」のフェーズですが、制度整備やインフラが進めば、商用サービスが一気に広がる可能性も大いにあります。

V2Gの将来性

V2Gの将来性

「V2Gって将来どうなるの?」 気になりますよね。

2030年までに日本国内のV2G市場は約5.42億ドル規模に成長すると予測されています。

技術面でも、バッテリーの耐久性アップや、AIが最適な充放電タイミングを判断するシステム、
さらにはブロックチェーンを活用した電力取引の自動化など、次々と新しい取り組みが進められています。

また、政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)」政策によって、
再生可能エネルギーの導入拡大や、V2Gを含む次世代エネルギーインフラの推進が期待されています。

もちろん、これらは2025年時点での情報に基づくものであり、すべてが確実に実現するとは限りませんが、
「EVで電力社会を支える時代」は確実に近づいていると言えるでしょう。

おわりに

V2Gは「EVが走る蓄電池になる」というワクワク技術。
環境にも優しく、将来的にはお財布にも嬉しい仕組みとして期待されています。
2025年の今はまだ実証実験フェーズ。
でも、日産リーフをはじめとしたEVたちが、街中で電気を売る未来がすぐそこまで来ていますよ!

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